Poserで動画において、トラッキングでカメラを動かすTipsを紹介したページです。

ざっくり説明

このページの内容をざっくり説明すると、

コレでピンと来た人は以下を読む必要はないです。
詳しく知りたい場合は読み進めてください。

Poserのトラッキング機能について

まずはPoserのトラッキング機能について。

通常はカメラ選択後に「Point At」でカメラで写すターゲットを選択する。
pos-01.jpg
これでカメラはターゲットに向いてくれる。しかし・・・・

何も考えず『Point At』をフィギュアのHeadに適用すると、以下のような動画になってしまう。

発生する問題

試した事がある人は解ると思う。そのままでは上記のような問題が発生するのだ。

以下、この辺の問題を上手く解決するコツを紹介する。

1.前準備

pos-03.jpg
▲クリックで拡大

2.直接ターゲットしない

カメラをフィギュアに直接ターゲットしないことでこの問題を解決する。

直接ターゲットしない理由

歩いたり、走らせたりのポーズを取らせると、フィギュアは上下運動を伴って移動する。カメラは、この上下運動も正確に追従する為、不自然な上に3D酔いの原因になるのだ。

そこで カメラをなめらかに追随させる為に、ダミーオブジェクトを置く。
pos-04.jpg
こんなカンジに、カメラの中心にしたい場所にダミーオブジェクトを置く。
これならカメラワークに自由度が広がる上、実際にカメラが人間を追っているようなカンジになる。

3.カメラのモーションにはダミーフィギュアを使う

申し訳ないが『何故か』と言う説明は出来ない。色々試行錯誤して得られた方法で、自分でも何故この方法で上手く行くのか解っていないのだ。

作成したダミーフィギュアは以下のようなもの。
pos-06.jpg
ただの立方体で良いので、ダミーフィギュアを作る。

経験上、Boneが一本だと上手く作動しないので2本以上のBoneを作る事。
水平方向のBoneがBone_1、ナナメのモノがBone_2である。
立方体は全てBone_1にグルーピングしてある。

作成したフィギュア
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言わずもがなだが、フィギュア作りは、座標(0,0,0)で行う。変な座標で作っておくと、後で面倒になって結局作り直したりする事になる。
そんなに難しい作業じゃないので、サクっと作り、登録してしまおう。

4.カメラはドリーカメラを使う。

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「3.」で作ったフィギュアにカメラをリンクさせるのだが、そのカメラにはドリーカメラを使う。

なぜドリーカメラなのか

メインカメラ、サブカメラは、自動的にシーンの中央を向くように出来ているので、フィギュアを追いかけるような動きには向いていない。

次にドリーカメラの設定を行う。
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1. ドリーカメラとダミーフュギュアの座標を合わせる。
2. Roll、Pitch、Yaw、Dolly、全部ゼロにしてしまう。

全部ゼロにした後、ドリーカメラを先ほど作ったダミーフィギュアの子に設定してやる。
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Object』≫『ChangeParent...』で親になるBoneを選択する。
ここでは、ダミーフィギュアのBone_1を親にする。

ドリーカメラをロックする

pos-11.jpg
ここまでの設定が終わったら、ドリーカメラもロックしてしまおう。
間違って動かすと、後で予想に反する結果が出る事がある。そして原因追求や修正がとても面倒くさい。

5.トラッキングはダミーフィギュアで設定

次に、ダミーフィギュアのBone_1を選択し、『Object』≫『Point At』でダミーオブジェクトを指定してやる。
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これで完成、仕込み終了である。

6.トラッキングモーションアニメの作成。

「5.」までの作業が終了したら、ダミーフィグアのBone_1を選択し、動かして見よう。
pos-12.jpg
ダミーオブジェクト(青い箱)、ダミーフィギュア(ピンクの箱)どちらを動かしても、ダミーフィギュアはキチンとダミーオブジェクトの方向を向いている事を確認する。


ターゲットになる位置、カメラの位置を設定する作業なので、普通にPoserのカメラを動かすより直感的に操作出来る筈だ。

最後に: 本番レンダリング前のひと手間

pos-13.jpg
本番のレンダリングでは不要な要素を非表示にする。
ヒエラルキー(階層)エディタで「ダミーオブジェクト」、「ダミーフィギュア」を非表示設定にしてやればよい。

完成品


これでPoserでも自然なカメラトラッキングが行えるようになった。

あとがき

まだ少しカメラが回転したりするので、もっと上手いやり方があるかも知れない。
しかし、それらはダミーフィギュアの「Boneの回転角」を調整する事で簡単に回避出来る。現時点では私はこれで満足している。不満がある方は各自やり方を工夫して見てほしい。