前回まで4回に渡ってPoser7と、他Poser6までに対応している3DCGアプリとの連携や相性を簡単に検証してみたワケですが、やっぱり色々無理が出てきたりします。

その辺をズバっと割り切って、背景と人物を別々にレンダリングして合成する方法を考えて見ます。

なんだかんだ言ってもPoserは人物をレンダリングに向いたレンダラだと思います。
(ちなみに、今回は静止画のお話として書いていますが、winならhuffyuvを、macなら標準のmov形式をコーデックに指定することでアルファチャンネル付きでレンダリング可能。動画のテクニックとしても有効です。)

背景作成

▼背景のサンプル画背景

 

まず初めに、背景を作成します。

今回はVueのプリセットで用意されているcave-dwellersを使ってサクッとレンダリング。

慣れないウチは縦横のピクセル数を同じにして、正方形の背景画を作成します。これはPoser上で背景を合成し、作業し易くするためです。

Poserのプレビュー画面に背景を貼り付ける

Poserプレビュー画面
▲Poserを立ち上げ、「Preview Dimensions」を選択

プレビューを正方形に
▲自身のモニタの大きさに合わせて、プレビュー画面のアスペクト比を1:1にします。

背景のマテリアル設定
▲マテリアルルームに移動し、背景(BackGround)に先程作成した背景画を貼り付けます。

大まかにアタリをとる

フィギュア設置
▲ポーズルームに戻り、軽めのフィギュアを設置し、カメラアングルを調整します。

まだライトのアタリを取ったり、色合いの調節を行うだけですので、出切るだけ軽いフィギュアが望ましいです。慣れれば球体プリミティブ等で行っても良いかと思います。
フィギュアのポージングやマテリアル設定よりライティングを先に決めた方が効率が良いので、このような作業を行っています。

ライティングの調整

IBL
▲慣れない内はIBLを使用するのが手っ取り速いです。

IBLジャングル
▲今回の背景に雰囲気が近そうなJungle Shadedを選んでみます。

影を入れる
▲背景の影に合わせて、IBLの光源の位置、影を調整します。

テストレンダリング
▲ここでテストレンダリングを繰り返します。
レンダリング設定は低めで、あくまでも光源の向きと色合いの調整に専念します。
このままでは光が強すぎなのと、影が濃すぎなのが解ります。

テスト2
▲IBLの光源の位置を調整。光量を落とし、影も弱めにしました。さらに左前方に補助ライトを一灯追加。まぁ自然に見える状態になりました。

Poser上で合成シーンの作成

シーン作成
ライティングが終了した所で、実際に使用するフィギュアを呼び出し、ポーズを付けたりマテリアル設定をして、シーンを作成します。
この作業に入る前に、念の為カメラワークやライティングの設定をライブラリに登録しておきましょう。

完成その1
▲実際にレンダリングしてみた画像がコレ。
それなりに違和感の無いレンダリング画像が得られました。
それでもなにか物足りないと感じたら、この段階でライティングやポージング、質感の微調整も可能です。

しかし背景に貼り付けたレンダ絵を外し、アルファチャンネル付きでPoserのレンダリング画像を出力し、外部の2DCGソフトで合成・レタッチする方が簡単だったりします。

後から合成するのを前提でPoserでレンダリングする

プレビュー画像2
▲背景に貼り付けた画像を外し、ポーズを変えてみました。
背景色は後から合成する際に馴染む色を考えて、今回はやや暗めに変更して見ました。

服とポーズの相性が悪く、V3の腕がジャケットを突き抜けていますが、今回は気にしない事にします(´Д`;)

PSDで保存
▲レンダリングした画像を、アルファチャンネル付きで保存します。
拡張子.psdや.tiff、.tgaなどがアルファチャンネルに対応しています。

フォトショ
▲フォトショップ等アルファチャンネルの編集に対応した画像処理ソフトで画像を読み込み、アルファチャンネルのレイヤーをctrl+クリック(macはcommand+クリック)すると背景以外の部分が選択されます。
これをコピーして背景画像に貼り付けます。
(画像や手順は省略してますが、以下は何度かレンダリングした絵を貼り付けてみて、レンダリング設定やライティングに変更を加えています。)

完成図その1
▲完成図その1
コピーしたPoserのレンダリング画像を、最初に作った背景に貼り付けてみました。

完成図その2
▲完成図その2:背景をボカしてみたり、少し色合いを変えたりレタッチしたり。

色味に少し違和感があったり、背景をボカしてみたいと思った時や、ちょっとだけ構図を変えたいと思った時などは、合成画像で調整した方が手っ取り早いですね。

 

Poserを中心として「頭に描いた絵」を作りたいと思った時、しばしば以下の問題を抱える事にになるかと思います。

  1. Poserで背景を作るのは大変な作業になる。でも人物のレンダリングはPoserが簡単
  2. 背景を作る作業はVueやCarraraの方が簡単。でもガチャガチャと小物や人物を置きすぎるとメモリがいくらあっても足りない。作業を簡略化したい
  3. 他のアプリに持っていくと、Poserの質感が上手く再現されない。イチイチ質感を再設定するのが面倒。
  4. ちょっと気に食わないレンダ絵を、自分の気に入った絵に持って行くまでのレンダリング設定を詰める作業が、気が遠くなる

そんな時、後から合成する方法を知っているとそれなりに便利だったりします。