カンの良い人なら解るだろう。
前回2つのエントリー、PoserVueのダミーオブジェクトを使ったスムーズなトラッキング動画の作り方を上手く使えば、PoserのカメラワークをVueに持ち込める。

今回は、その辺を詳しく解説する。(Vue5、Vue6共通)

Poserでの下準備

まずはをPoserでスムーズなカメラのトラッキングを行う参照して、ダミーオブジェクトを使用したカメラワーク付きPoserファイルを作成する。
pos105.jpg
Vueのカメラは地面に対し水平になるので、ダミーオブジェクトを縦長にして、傾きを把握しやすくする。
カメラを設定したダミーフィギュアの『Bone_1のZ回転』で、なるべくカメラが水平を保つように調整。
コツを掴めればそんなに時間はかからない。

Poserファイルの保存方法

pos104.jpg
作成したファイルを、

に分けて保存する。ここは単純作業で時間が掛かる、面倒な作業。
この方法の何が良いのかというと、背景オブジェクトは静止オブジェクトとして取り込め、位置移動のみのアニメーションデータとして取り込める。
ジオメトリ含めたアニメーションデータはフィギュアだけで済み、メモリや作動速度の節約になるのだ。

Vueへの読み込み

まずは『全部合成した』Poserファイルを読み込み、他のファイルを手動で位置を調整する。ちょっとズレてる位では、意外と気にならないので、ザックリ作って見よう。
pos106.jpg
※さすがにコレではズレ過ぎ。
この3倍程度の精度で、XYZ、全部位置を合わせる。

余談

カメラの設定

pos107.jpg pos108.jpg

重要: チェックポイント

何故か解らないが、PoserとVueのカメラの望遠の数値は全然違う。
Poserのカメラの35mmがVueのカメラの50mm相当である。
これを参考にVueのカメラの数値を変更する。

これで大まかな作業は終わりである。

レンダリングしよう

まずは、上記まで終わったら保存をしておこう。
保存が終わったらレンダリング前に『全部合成した』PoserファイルはVue内から削除。
(オブジェクトが2重にあっても意味はない。位置調整に使った『全部合成した』ファイルは不要。ただしレンダリング後に微調整したい・・・という場合があるので、保存ファイルには残しておく)

pos109.jpg
次にレンダリングに必要の無いオブジェクト、フィギュアを『Hide From Render』にチェックを入れてレンダリングしないように設定しておく。

レンダリングするとこんなカンジ。

VueとPoserのレンダリング結果を重ねると、これぐらいのズレである。

上記動画サンプルは、かなり大雑把に、ざっくり作っての結果である。
同じアングルでレンダリング出来てると言えば出来てるし、出来てないと言えば出来ていない。ザックリ作りすぎたみたいだ。

しかし私的には、この精度で十分だと思っている。

おまけ

上の動画ファイルは、VueとPoserで生じた差を解りやすくしたモノである。

そして下の二つの動画ファイルは、ここで解説した小技を使い、
 背景・・・・Vueでレンダリング
 フィギュア・・・・Poserでレンダリング
そしてこれらを編集ソフトで合成したものである。

 
敢えてバレバレの合成したもの / 同じファイルでIBLを使い、解りにくく合成したもの
※Poserのレンダリング時、Huffyuvを用いてアルファチャンネルを有効にし、UleadMediaStudioで合成。

これらはザックリ作ったものだが、少々位置がズレていても、以外に気が付かない事が確認できると思う。

この方法は、Vueの苦手なモーションブラーだけPoserで行ったり、Poserの苦手な背景レンダリングをVueで行ったり、擬似的に被写界深度を設定できたりと、Vue、Poserのレンダリングの弱点を補え、応用の幅が広い。

少々面倒くさい技だが一度は試して見て欲しい。