しばらく Vue6 を弄ってみて、GIレンダリングや GRレンダリングが「どう変わったのか?」を検証してみました。
- このページでチェックした項目
- レンダリングスピードは上がったのか
- レンダリング結果がVue5からどれくらい向上したか?どのような違いが出るか?
- 個人的にこの辺りが一番の関心事なので、そちらから先に検証です。
- 次回更新以降に後回しにする項目1
- Poserとの連携はどうなったか
- 個人的にはこちらも優先度が高いので、次回更新ではこれをチェックする予定です。
- 次回更新以降に後回しにする項目2
- SSSやディスプレイスメント
- こちらのの方を期待している方も多いでしょうが、レンダリング速度を重視している私の場合は後回しです
このページのチェックポイント
e-onのインプレッションでは、「レンダリングスピードは最大で4倍」と唄っていました。ここが私の一番の関心です。
- 実用的な利用では、どれくらいレンダリング速度が速くなっているのか?
- どのような条件で4倍の速度になるのか?
これらを中心に検証しています。
このページでは、Vue付属サンプルでレンダリング比較を行っています。
このページを読む前に
このページでは、Vueのレンダリング設定のパラメータを簡略表示しています。
本文中のA~Eは、以下の設定の事を差しています。
▲クリックで拡大
A・・・・品質ブースト
B・・・・間接光のサンプル数
C・・・・一括評価範囲
D・・・・アンチエイリアスのサブレイ数
E・・・・品質しきい値
まえおきおわり。以下、本文です。
GIレンダリングを確認
まずはGIレンダリングの速度確認。
昨年 e-onのフォーラムで話題にされていた「Toy Train」での比較
画質ファイナルで比較したもの
Vue6でのレンダリング。マウスを重ねるとVue5のレンダリングになります。
- 640X480 (上図サンプルは320X240でレンダリングしたもの)
- レンダリング設定:ファイナル (その他の弄らず)
- V5inf 11分31秒
V6inf 3分13秒
本当に4倍近い高速化!しかも、アンチエイリアスや被写界深度のブラー品質も僅かながら向上してます(´∀`)ノ
いやいや素晴らしい!と絶賛しかけたのも束の間、、、
個人的によく利用する設定でレンダリングした場合
Vue6レンダリング。同様にマウスを重ねるとVue5のレンダリングになります。
- 640X480
- レンダリング設定 (A~E参考図)
(A) -4、(B) 144、(C) 16X16、(D) 16X16、 (E) 40%、 (F) OFF
その他の弄らず。 - V5inf 1分45秒
- V6inf 1分01秒
約170%の高速化・・・・・・あれ?
高速化はしているようですが、実質170%前後の高速化。
あとはファイナルとかブロードキャストで今まで過剰にGI設定が高かったものがある程度最適化され、その結果「レンダリングスピード最大4倍」となっているようです。
次にGR実験。
GRレンダリングの検証では、付属サンプルの「スポンザアトリウム」で比較を行いました。
画質ファイナルで比較したもの
Vue6でのレンダリング。マウスを重ねるとVue5のレンダリングになります。
- 448X336
- レンダリング設定:ファイナル、その他の弄らず。
- V5inf 5分36秒
- V6inf 3分17秒
こちらは約1.7倍の高速化。
それ以上に間接光の効き具合と言うか、見た目全然違います(´Д`;)
とりあえず今は見た目問題は無視し、設定変更によるレンダリング速度の違いを先に確認します。
個人的によく利用する設定でレンダリングした場合
Vue6レンダリング。同様にマウスを重ねるとVue5のレンダリングになります。
- 448X336
- レンダリング設定 (A~E参考図)
(A) -4、 (B) 144、 (C) 16X16、 (D) 16X16、 (E) 40%、 (F) OFF
その他の弄らず。 - V5inf 4分07秒
- V6inf 2分15秒
こちらも約170%の高速化・・・・・・ファイナルと変わりませんね?
この時点での考察&まとめ
「Toy Train」・・・・カメラブラーを使用
「スポンザアトリウム」・・・・カメラブラー未使用
この違いから考察すると、GI・GR的な計算はおおよそ170%の高速化、カメラブラーのレンダリング速度が200%位の高速化、と考えたら良さそうです。
- 他にも色々高速化はされているんだろうし、e-onの唄う「レンダリング最大4倍」はあながち嘘では無いようです。
- あと、ここでは画像やデータの詳細は出しませんが、Std、GAのレンダリングはおおよそ120~130%の高速化でした。 (AOは後日改めて検証します。)
レンダリング結果が激しく異なる件の検証
まずは、レンダリングオプション内の『Advanced effect quality』内に『Custom radiosity photon map options』と云う項目が追加されていたのを発見したので、この部分の検証からスタートする事にしました。
ここでフォトン数、収束数の調整が出来るようです。
こんな感じにガクンとフォトン数を減らしてみた。スピードアップは図れるか?という検証を行ってみました。
フォトン数1000、トレーシングレベル10
収束数50、収束範囲2mの結果
- 448x336
- レンダリング条件 (A~E参考図)
(A) -4 (B) 144 (C) 16X16 (D) 16X16、 (E) 40%、 (F) OFF - レンダ時間2分07秒
レンダリングは8秒程早くなりましたが、随分暗くなってしまいましたた。これではGRレンダリングの意味が無いですね。。。
もっとフォトンの収束数を上げてみます。
トレーシングレベル25倍、収束数5倍。どうなる?
フォトン数1000、トレーシングレベル250
収束数250、収束範囲2mの結果
- 448x336
- レンダリング条件 (A~E参考図)
(A) -4、 (B) 144、(C) 16X16、(D) 16X16、 (E) 40% 、 (F) OFF - レンダ時間2分08秒
時間は殆ど変わらず、随分GRの間接光が見えてきました。
このオプション使えそうですヾ(*´∀`*)ノ
では、もっともっとフォトンの収束数を上げてみます。
初期設置値よりかなり高めの数値。この際、時間が掛かっても良いからガンガン間接光効いたのをレンダリングしてみました。
フォトン数90000、トレーシングレベル500
収束数800、収束範囲2mの結果
- 448x336
- レンダリング条件 (A~E参考図)
(A) -4、(B) 144、(C) 16X16、(D) 16X16、(E) 40%、 (F) OFF - レンダ時間2分09秒
予想外。もっと明るくなって、もっと時間がかかると思ったのに。。。
ここまで強烈に数増やしてもデフォより時間が短縮されている所が謎です。
(収束距離2mが短すぎるのだろうか?)
とりあえず、GRやる時はこのオプション弄るのは今の所必須と言う事にしときます。
公開3時間後、さらに追記
GRの間接光の効き具合、解ってきました。
「大気エディタ」で「空と雲へ」をオン、「ライトバランス」、「環境光ライト」をぐっと低くしてやるとVue5に近い結果が得られました。
と云うかVue5、Vue6で、サンプルとして収録されている「スポンザアトリウム」の大気設定がそもそも違ってました。
(※ただし、同じ大気設定にしても同じ結果は得られませんでした)
図にするとこんな感じです。
こういう設定にすると。。。。。
天空光が反映された結果となり、
かつ Vue5 の結果に近い画像が得られるようになりました。
こんな結果。
完全に同じ結果にするには苦労しそうですが、とりあえず良かった。Vue6のGR、ちゃんと使えるよ(つД`)
あとがき
ちなみにVue5では「空と雲へ」をオンにしようがオフにしようが、ほぼ同じレンダ結果だったので、Vue5のGRレンダの方がバグ持ちだったのかも知れないですね(´Д`;)