私はVue5時代から、GIレンダリングする時にマテリアルを少しだけ発光させて、擬似的にGRっぽく見せる手法を多用してました。

GRより格段に早くレンダリングできる上、オブジェクトごとに発光の強さを調整して、「石やコンクリートに硬めの影」「人体や布には柔らかい影」なんて表現をするのに重宝していましたが・・・Vue10ではこの小技難しくなりました。

luminous
▲Vueのマテリアルの、[Luminous(発光量)]調整はココ。
マテリアル全体が明るくなる他、GIやGRの影も薄くなる。

 

Vue6時代にGIレンダリングしたサンプル

以下3枚の画像は、Vue6時代にレンダリングしたToyTrainsです。
通常のマテリアル
▲ToyTrainに何の変更も加えないままGIレンダリング


▲全マテリアルを20%発光
明るくなっただけでなく、GI影もかなり薄くなっています。
発光したマテリアルの色が近隣のオブジェクトに干渉しているのも解ります。


▲全マテリアルを40%発光

上の例は大袈裟に発光させていますが、[Luminous]に5~10%程度の数値を割り振ってやればかなり自然な感じでレンダリング出来てました。
あと、発光体は僅かながら近接のオブジェクトの色にも干渉してくれてたのが個人的に超お気に入りの小技でした。

Vue10Rで同様にオブジェクト発光させてみる

Vue10Rでマテリアル発光

発光量に比較してほとんど影が薄くならない。発光体の色が他のオブジェクトに干渉してくれない。(つД`)
以前のような絶妙なバランスで「なんちゃってGRレンダ」するのは難しくなりました。。。

更に、この技をGRレンダで使うの不可能・・・

上記の様にマテリアルにLuminus設定を仕込んでGRレンダリングをしようとすると・・・
GRレンダリング時の警告メッセージ
▲上記の様なメッセージが出ます。
意訳:GR設定のシーンにでマテリアルに発光設定が利用されています。
これは、レンダリングに予期せぬ結果をもたらします。また一般的にオススメできない方法です。
どうします?
 ・無視する(そのままレンダリングする)
 ・一時的に無効にする
 ・マテリアルからLuminousを取り除く
 ・(レンダリングを)キャンセルする
どれを選んでも、発光体の光や色が他オブジェクトに干渉する事は無いです。
こういうアルゴリズムの隙を突いたような小技は、ある日突然使えなくなっちゃいますね(^_^; バージョンが上がるごとにレンダリング速度・レンダリング精度は上がっているので、過ぎた事は気にせずこのまま使い込んで行こうと思います。